格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)
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効率性という視点だけでは教育は機能しない
教育政策を考える人には是非読んでほしい
薄いながらも中身は濃い
学力低下は学力二極化!たった3年で「できない子」の学力がますます低下
発売日:2008-06
ランキング:9908位

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「格差社会と教育改革 (岩波ブックレット)」のレビュー・感想


【効率性という視点だけでは教育は機能しない】
教育によって何を実現させ、どうして行きたいのかということが今の日本の教育改革・行政に
おいて決定に欠けている。
それゆえ、何の思想もなく北欧など他国の制度を真似しようということにつながっている。

教育とは社会のインフラの一つである、効率性や個人の主体性とかという観点ではなく、
目指すべき社会を実現するために、教育をどのように活用していくのかを日本人は真剣に考え
なくてはならない時がきていると感じさせられる内容である。

【教育政策を考える人には是非読んでほしい】
日本の教育政策を考える人には是非読んでもらいたい書である。それぞれの立場によって賛否や好悪はあろうが、基礎的なデータに裏打ちされた現状分析は今後を考える上で非常に役に立つであろう。

私が特に印象に残ったのは二点である。資源配分の哲学と1人あたりの教育費の問題である。

これまで全く考えたことはなかったが、資源配分の哲学は教育政策を語る上で非常に重要な視点と感じた。いままで行われた様々な教育政策がちぐはぐさを感じていたかがきれいに説明されたからである。予算や人材の配分の哲...

【薄いながらも中身は濃い】
 苅谷氏の本は初見であったが、確かな政治学者である山口氏が共著するだけある教育学者だった。
 前半の苅谷氏の公演を読み、格差を「不平等」と言い換えるセンスのみならず、国家予算と事務教育費、双方の伸び率が比例しない点、PISAの数学力変化グラフで、学力の低い子が更に低下した点、やがて来る教員不足などの指摘などを読み、実際にそれを聞きたくなった。

 対談部分でも、フィンランドモデルを紹介する本を時折目にするが、北欧型でも能力が高くても職に就けないとの問題点を、指摘しているのを目にした...

【学力低下は学力二極化!たった3年で「できない子」の学力がますます低下】
学力低下に関して、
「順位低下は参加国が増えたから」とか
「錯覚」だといった誤った認識が広まっている昨今、
本書p.20で取り上げられている
「PISAの数学学力の変化」を見てみると、
2000年から2003年のたった3年間で、
できない子(下位25%)の学力が40%も落ちていることがわかる。
つまり、学力低下=学力下位層の大幅な学力低下=学力二極化なのだ。
「ゆとり教育ができない子をますます低下させている」
という指摘は、そういう意味で正しかったことを示しているだろ...